OCマニュアル(と大袈裟に言ってみる)

とあるお客さんへ…ということで、nBit流OC手順を書いておきます。
※あくまで自己流なので、参考まで。
 
●OCには主に2種類の方法がある。
1:MP(倍率)変更
2:CPUfreq(ベースクロック)変更
 
Core2Duoの場合、ベースクロックが266MHzで整備されているので、E6300なら1.86GHz≒1860MHzなので
266(ベースクロック)×7(倍率)=1.86GHz(動作クロック)
となる。
また、FSB(帯域)が1066MHzのCPUの場合、
1066MHz÷4(←ここではおまじないの数字とでも思ってください)≒266MHz
 
その上で1の場合、7→8に変えると
266×8=2062MHz(2.06GHz)
というOCになる。
2の場合、266MHz→300MHzに変えると
300×7=2100MHz
というOCになる。
 
1はCore2Duoの場合、倍率を下げる事はできても、上げる事は基本的に不可。(Core2Extremeは可)
その為、一般的なOCは2の方法を用いる。
 
まず、これが基礎です。
ベースクロックは、条件が整えばいくらでも上げられます。
しかし、こんな弊害が出て来ます。
・発熱する(消費電力が多くなる→不足になる)
・同期がとれずに不安定になる
大きくはこの2つです。
よって冷却や安定させる為に設定を変えて、バランスをとらせます。
発熱する箇所は、主にCPU、チップセット(ノースブリッジ、サウスブリッジ)、メモリ、レギュレータの4箇所です。
なので、冷却能力の高い社外クーラーや、熱交換しやすくする為に水冷にしたりする必要があります。
この辺りは物理的に手を加える作業なので、時間と費用(とくに)があれば強化させられます。
 
同期をとらせるために安定させるには、チップセットをメインに、接続されている周囲の設定をしなくてはなりません。
ベースクロックが早い(高い)と、周りがその早さに追いつけなくなります。
例えば、オリンピック選手並みに速く走られても、それに追いつけなかったり、無理して走って途中で倒れてしまうと、やり取りが遅れに遅れ機能しなくなると言う状態になります。
具体的にどんな事をするのかというと
・拡張バスを固定させる
・メモリの比率を下げる
という設定が必要になります。

拡張バスは、PCIPCI-ExpressAGP等です。
これらは、拡張デバイスと接続するだけの物なので、速くする必要はありません。
なので基本的に各バスが備わっていて、かつ設定できるマザーなら、それぞれを
PCI→33.33MHz
PCI-Express→100MHz
AGP→66.66MHz
へ設定するのが無難です。
 
次にメモリの比率は込み入った話になりますが、DDR2-PC6400の場合、PC6400の6400は帯域幅でMbpsの単位になります。
これをまず、速度MB/sに置換えると
6400Mbps÷8(1Bit←8Byteの為)=800MB/s
となります。
単純に、DDR2-800 PC6400と記載されているのは速度や帯域を示している数値です。
 
800MB/sを出す為には、内部でメモリの倍率があります。
800MB/s(メモリの速度)÷266MHz(ベースクロック)≒3(メモリの倍率)
 
となるので、ここで仮にPC6400のメモリをベースクロック300MHz、メモリの倍率は3のままにすると…
300MHz(ベースクロック)×3(メモリの倍率)=900MHz…PC7200相当
という形で、メモリもOCする事になります。
これが耐えられないメモリだと、余りの速さにデーターを投げる状態になり、届かなかったり、あるいはデーターを壊してしまうのでエラーになってしまいます。
なので、メモリの倍率を変えてあげなくてはなりません。
しかしメモリの倍率は、一般では目に見えない値になっています。
マザーによって、
DDR-???と言う形で、固定の設定枠がある場合や、対比(1:1/4:5/3:2…)の場合があります。
前者の場合はそのメモリの本来の数字(800)に近い数字、後者あるいは533/667/800…と固定された設定枠ならば、一段階ずつ下げる等になります。
(うちのサイトのOC計算機を使うと各段階設定時の時のメモリ速度が表示されますので、計算する手間が省けます) 
とはいえ、これでメモリを固定しても限界は来てしまいます。
 
メモリにはさらにメモリのタイミングがあり、何クロックで書込んだり、リフレッシュしたりという物があります。
通常、メモリにはSPDと呼ばれるタイミングをメモされている部分がありますが、ベースクロックが上がりに上がってメモにないベースクロックになると、マザーが自動で判別するか手動で設定しなくてはなりません。
(基本的には遅らせる(数字上は高くする)方向)
これは試行錯誤になります。 
最後として、それぞれ設定しても、上げれば電力不足に陥ってしまうので、通称[喝入れ]という電圧上げをして、限界を延ばしたりします。
上げすぎると当然焼けてしまうので程々に。(CPUは発熱し過ぎて電源が落ちたり多少の安全装置はありますが…)
 
 
 
おまけ
ベースクロックを上げると、FSB(帯域…バススピード)は、どんどん上がるのでベースクロックを例えば300MHzにすると、FSBは(最初の方にあげた式の逆算)
300MHz×4=1200MHz
となり、定格から134MHzも上がっているので、同等の速度にある上グレードのCPUと比べると、OC済みの方が速くなります。(キャッシュ容量や内部的に違う場合や、メモリでエラーが多いなどはその限りではありませんが…)

 
 
以上、OCは自己責任です。
※携帯でここまで打ったのは初めて…w